--------------------------------------------------------------------
 家族 愛する家族

--------------------------------------------------------------------
我輩は猫である。かくれんぼが大好きじゃ。
.........

我輩は三年前の夏の夕暮れ時、今の主人が隣の花ちゃんと間違って、今の我家に入れてくれたのが記憶の始り。牛乳は出してくれる、竹輪もくれる、「花ちゃん花ちゃん」って後ろめたくなって「ニャン」といってみたら、主人が驚く事。

「花ちゃん、いつから足が生えた」って、どうやら花ちゃんはどっかの足がないらしい。主人は裏の戸を開けて「おうちへお帰り」って云うけど、そんなおうちの記憶がない我輩はコテンと寝てしもたった。

主人は飼い主を捜す写真付貼紙を貼ってまわっとったが、ひと月たっても誰も現れんわなー。 我輩には記憶がないんじゃ。

うたた寝をしとったら、主人は「そのうちに可愛くなるから飼ってやりなさい」って優しい事云っとる。婆ちゃんと奥さんは「よりによってこんな汚いのー・・・」噛みついたろかと起きかけたけど、ここは我慢の一手。 ほれ、辛抱するもんや。三日後には我輩を「グー」って呼びよる。 しめしめ。

このごろの婆ちゃんと奥さんの言うことが憎たらしい。「うちの猫が一番可愛い」だって。 フンだ。そういう裏腹な事を云うから生きた雀をくわえて家に帰るんだ。

ご主人の玉ころのついた赤と黒の三角のやつは、カリカリやると、とんでもない事になるくらい我輩でも分るんじゃ。 フン。


--------------------------------------------------------------------
うちきは ラ・グー と申します。
.....

このあいだはうちきの妹、グーの写真が載ったらしいけど、ご主人様、順番を間違えてましょ。それくらいの事で騒いだりしませんが、うちきはグーよりずっと前に我家に来たのを忘れたらあきませんでしょ。

生後三ヶ月で沢山のワンの中からうちきを選んだんはご主人様。Tシャツの下に隠すようにして我家に着いたら、婆さまと奥さまが大騒ぎ。婆さま「こんなん家の中で飼ったら毛だらけになるやんかー」。奥さま「よだれいっぱいたらすし滑るやんかー」。到着の瞬間、帰りたいって思ったよ。 友達のもとへ 。

ご主人様はうちきを決める前に相談したらしいけど、ラチがあかんと強行手段に出たらしい。でもまあ、婆さまと奥さまの気がころっと変るんは、妹の話でご存知でしょ。妹の時もうちきは分ってたんよ。 三日も経てばって。

婆さまの散歩のお供は嫌いです。 首を引張るから。だから婆さまがひもを持ったら家ん中を逃回るの。ご主人様の寝言も嫌い。 訳の分らんこと云うから。 寝言云い出したら廊下で寝るの。

だけど、飛行機に乗ってでも何処でも連れてくれるからご主人様と奥さまはだーい好きよ。九州のメェさんには何回かお会いしましたね。 次もよろしくね。

写真のうちきはヨットの上よ。 ロープは引張れんけどね。妹のグーはヨットは無理なの。 おっちょこちょいだからね。


--------------------------------------------------------------------

.....

「おい、ウー吉、このごろ飯の量、少ないと思わんけ」「ちょっと前まで、朝晩三粒やったのに二粒やどっ」

「そやなー。 なんぼ不景気やっちゅうても、何考えとんじゃ」
「ウー吉、今度建三が来よったら、おまえのハシコイ尻尾でピシャっと眼鏡に水かけたれ」

「あかんねん、こないだも失敗して甕の外へ飛出た」「あん時、20分程でオバンが見つけよったさかい・・・」「兄ちゃんも知ってるやろ、半年ほど半身不随やったやん」

「そやかて、ワイの尻尾はスカートみたいやしでけんしなー」「まー、地下配管で循環さしてバクテリアたら言う奴に水を綺麗にさせとるらしいし、オマケにヒーターも付いてるから冬でも快適やけどな」「今度、クーラー付けさそや」

「そやけど、建三の子分はみな "ウー" がつくらしい」「ラグー、グー、ウー助、ウー吉。 あほかーっ」「そやそや、地下のバクテリア、バクーって云うらしいど」

「あっほくさー」


--------------------------------------------------------------------
ラグーよ、神様に頼んで今のお家と同じ造りで天国に一軒建ててもらったぜ。そのお家で楽しく暮らすんだ。道を間違えないようにしなさい。間違ったらお父さんの携帯に電話するんだ。

着いたら、直ぐに腹ごしらえをしなさい。七日間も食べてないんだから。下から三番目の引き出しに、たっぷりと蓄えてあるからな。

天国の家、玄関先の甕の中では既にウーちゃんたちが泳いで遊んでいるよ。お父さんも、そう遠くない時期に其処へ行くから待っていなさい。グーちゃんも揃ったら、今までのように、ぶつかりごっこして遊びなさい。

ひとつお願いがある。お父さんの布団の中で屁をこく癖は、お父さんが着くまでに治しておきなさい。お父さんも治すから。

2004年12月15日朝、会社に着いた瞬間に携帯が鳴って、急いで帰ったがラグーは既に息絶えていた。午前八時五分、彼女は来世へ旅立った。

ラグー、道に迷うなよ。

--------------------------------------------------------------------

←前へ    私の履歴書 目次へ↑    次へ→